活動状況

25年度事業計画
平成24年度は、施設関係者には厳しい年度であり、マイナス改定であった報酬改定の実施、運営基準法違反での処分、さらには虐待による処分等が発生し、全施設で大きな課題を抱えることになりました。とりわけ虐待問題は、全国老施協の助成金も受け、虐待とパワーハラスメントに関する職員の意識調査を実施している途中での事件であっただけに残念でありました。

こうした大きな問題もありましたが、24年度における老施連の活動は、比較的スムーズに進んだものと考えています。

さて、25年度は、幾つかの大きな課題を抱えての取組みとなります。24年度から引き続きの研修となる虐待・パワハラ研修をはじめとする虐待・パワハラの取組み、介護力向上講習会(今までの介護専門研修)、神戸市高齢者施設介護士認定試験、ペットボトルのキャップの回収、ろうごの日等の他に、25年度新たな取組みとして第三者的評価制度の創設とスタート、高卒者等若い力を得るためのDVD製作と説明会の開催、施設長の新任研修と専門研修等々の取組みを開始することになり活動の範囲がさらに広がります。

こうした課題に対応していくためには、理事会の構成員を先頭に各施設長・職員のご理解とご協力なしには進めることができません。「老施連は一体」を合言葉に、取組みの前進を図りましょう。

25年度事業計画

1.日常の活動体制2.委員会の活動の取組み3.委員会の具体的な活動4.各種施設長会議

一、日常の活動体制は、以下の考えで取組みます。
  • 25年度も、委員会活動を中心に行います。具体的には、副理事長の総括担当と理事を実行担当理事にして6つの委員会で活動を展開します。
  • 委員会の活動基本は、理事や施設長に係わらず、特定の人に偏ることなく、より多くの人が係わり、より多くの人による活動を展開することを基本とします。
  • 施設長会議は、全体で行う施設長会議と種別で行う養護、軽費・ケアハウス、デイサービス、ユニットケアとします。
  • ブロック別施設長会議については、新たに独立した東灘ブロックを加えた6ブロックで開催します。具体的な運営については、実行担当理事及び担当施設長を中心に運営と内容充実を図ることとします。
    ●東灘ブロック : 偶数月第3火曜日午後 / 灘・中央ブロック : 偶数月第3火曜日午後
    ●北ブロック : 偶数月第3水曜日午後 / 兵庫・長田ブロック : 偶数月第3水曜日午後
    ●須磨・垂水ブロック : 毎月第3火曜日午前 / 西ブロック : 偶数月第1金曜午後
二、各委員会の活動の中で、以下の取組みに重点を置くこととします。
  • パワハラ・虐待に関する取組み
  • 介護力向上講習会(神戸分校)の開校
  • ろうごの日に関する取組み
  • 神戸市高齢者施設介護士認定試験の取組み
  • エコキャップの回収事業の取組み
  • 高卒者予定者等に対する説明会の開催等
  • 緊急・即時受入宣言の取組み
  • 施設長専門コース研修の実施
  • 第三者的評価制度の創設
  • 関係する大会等(老施連が直接関わる大会)
    ●社会福祉協議会大都市協議会神戸大会 平成25年6月13・14日
    (担当 : 市社協・施設部会 ANAクラウンプラザホテルで開催)
    ●近老協施設長一泊研修 平成26年2月20日・21日
    (担当 : 兵庫県老人福祉事業協会と老施連 ポートピアホテルで開催)
三、具体的な委員会の活動を以下の通りとします。
【 社会活動委員会 】

  • 「ろうごの日」に関するする取組みを強めます。
    (1) ろうごの日の取組みについては、引続き「ろうごの日推進会議」を支えるとともに、老施連としても能動的な対応を行います。
    (2) 平成25年の作文、川柳の募集の取組みは既に終了しましたが、6月5日(水)神戸文化ホールで開催します「ろうごの日のつどい」(昨年まで「市民との対話集会」と呼称)の成功に向け努力します。今年の出演者は、西川ヘレン氏(タレント)、兵庫県音楽療法士会
    (3) 25年6月5日(水)に向けては、運営面で広告協賛の依頼を行うことやペットボトルのキャップ回収等についても実施できるよう検討を進めます。
  • 機関紙「老人ホームの窓」は、年2回発刊します。
    記事や特集等が、読者に関心ある内容を掲載できるよう努めます。
  • リサイクルへの貢献と発展途上国の伝染病ワクチン配布助成の一助とするため、ペットボトルのキャップを回収する取組みを継続して取組みます。今年度目標を各施設最低2袋(5,160個、6人分)
  • 介護電話相談については、本年度も7月5日(金)に開設をします。
  • 社会貢献活動の一環でもある成年後見制度に関しては、市民後見人の育成に協力します。
  • 施設サービスガイドブックの発行の在り方については、改定版の発行やホームページの掲載等より有効的な内容となるよう検討します。

【 調査研究委員会 】

  • 高齢者虐待及びパワーハラスメント問題は、今年度も重視し、昨年からの取組みを継続強化を図ります。
    (1) 山本先生の主導による虐待・パワハラ研修会については、残る3回を6月、9月、12月に開催します。2回目以降の参加を働きかけます。
    (2) 虐待等に関する施設長研修を計画します。
    (3) その他、人材育成に必要な教育体制のあり方について取組みの可否を含め検討を行います。
  • 第三者的な評価制度については、今年度下半期に制度化できるよう努力します。
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    (1) 体制 : 評価委員会の設置、評価者会議の設置、事務局の設置委員会・会議は、学識経験者や市民、利用者代表等も考慮する。
    (2) 評価方法 : 事前調査、聞き取り調査、利用者・家族アンケート調査
    (3) 評価者 : 募集を行い、育成を行う。
    (4) 施設負担金 :10万~15万円を想定
    (5) 事務局体制 : 臨時雇を雇用する。
    (6) 今年度の目標 : 30施設
  • 賃金実態調査は、前回が22年4月調査であり、以降人材の異動や処遇改善加算の創設等もあり、その後の動向を把握するため実施することとします。なお、26年度の神戸市予算に対する要望は、早い段階から取組みます。
  • その他政策的課題については、必要の都度委員会で検討します。

【 ネットワーク委員会 】

  • セーフティネットの充実を図ります。
    緊急ショートネットワーク加算廃止後の対応として、緊急・即時受入宣言を行う等の検討を行ってきましたが、当面以下の取組みを行うと同時に、その他、即時受入が必要なケースなどへの対応等残されている課題については、引き続き神戸市との間で協議を行います。
    (1) 虐待ケースの受入をします。
    ・本年5月から虐待ケースを原則区内の施設で受入を行います。
    ・具体的には、区のあんすこ係から、老施連側の区の代表者に連絡を受け対応します。
    ・老施連側の区の代表者及び具体的な対応順等については、4月期のブロック別施設長会議で決定します。
    ・担当責任者と担当方法が決まった段階で、区のあんすこ係と関係施設との情報交換を行います。
    (2) 入所相談センターに関連する受入輪番表を改訂します。
    ・従来法人単位を中心としたグループ割から、地域単位を中心にしたグループ割に変更します。
    ・具体的なグループ割は、原則各区1カ月単位とし、北区および西区のみ2カ月の担当とします。
    ・実施時期は、4月からとします。
    ・グループ内の対応の仕方及び当該ブロックで対応できなかった場合の対応などについては、別途明らかにします。
  • 一般的な緊急ショートへの対応を強めます。
    (1) 緊急ショート空床情報システムの有効利用を進めるために、各施設における月4回(週1回)更新の徹底を要請します。
    (2) ショート担当責任者会議は、引き続き年2回の区毎の開催を行います。
    (3) 神戸市ケアマネジャー連絡会と共働し、本制度の一層の周知を図ります。
    (4) いろんな機会を通じ地域や団体に対し、緊急ショート空床情報システムの周知に努めます。
  • 特養入所に関する名簿の整理などの適正管理を行います。
    特養入所者待機者状況の調査を引き続き実施するとともに、実施方法や内容についても神戸市と協議し、検討を進めます。状況に応じ、特養入所担当者会議の開催を検討します。
  • セーフティネットハンドブックを改訂します。
  • 神戸市医師会との対応を強めます。
    (1) 嘱託医推薦制度等については、大詰めを迎えており、現行の覚書の廃止と新たな覚書等の契約に向け関係者と協議を進めます。
    (2) 具体的な案がまとまった段階で施設長に諮問し、意見交換を行った上で締結を行います。

【サポート委員会】

  • 高卒者の就労支援と雇用促進の取組みを行います。
    昨年度に引続き、高卒者を中心にした若者の雇用促進が図れるよう取組みを強めます。
    (1) 雇用の促進を図るためのPR活動としてDVDの製作とパンフレットの作成をします。
    (2) 高校生と進路担当の先生を対象にした説明会を開催します。
    ※ 日時 : 5月18日(土)
    ※ 会場 : ラッセホール
    ※ 内容 : 福祉の職場の紹介と施設見学
    (3) 昨年度と同様、9月期の解禁に向け雇用の促進が図れるよう各施設に働き掛けます。
    (4) ハローワーク、高校の進路担当の先生との連携を強め、より理解が得られるよう努力します。
    (5) 高卒予定者及び教師等に、介護を理解して頂くための啓発活動や職場体験、インターンシップの受け入れ等に対応します。
  • 福祉人材の確保ができるよう、また就労の機会を提供できるよう努力します。ハローワークや兵庫県人材センター、養成学校連絡会、高等学校進路指導者連絡会などとの連携を深める活動を継続します。
  • 養成講習会等の実施を検討します。
    (1) 介護福祉士の受験資格が大きく変わり、実務者研修の受講が義務化されました。これを受講する為には、時間と高額の費用が発生すること、さらには受講できる機関が少ないことなどから、今後の介護福祉士の資格取得者の激減が予測されます。
    (2) 老施連として大きな課題と受け止め、何が出来るか検討を行います。
  • 施設長や職員の期待に応える活動をめざします。
    各ブロック別施設長会議などから出された要望などを受け止め、検討し具体化が図れるよう努力します。

【サービス向上委員会】

  • サービス向上委員会は、基本的には全体で対応することを基本とし、担当のあり方を見直しすることとします。
  • リーダー研修、リーダーレベルアップ研修を実施します。
    リーダー研修及びリーダーレベルアップ研修は、それぞれ1回開催します。
  • 接遇・マナー研修を実施します。
    接遇・マナー研修は、新規採用者にも対応できるよう4月22日(月)で計画します。
  • 全国老施協介護力向上講習会神戸分校を開校します。
    (1) 全国老施協より、平成25年度より介護力向上講習会を各都道府県単位で開催する方針が示されました。
    (2) 一方、老施連は、3年間竹内先生の指導の下介護専門研修を通じて介護の専門性、科学性の追及をしてきましたが「道、いまだ半ば」であります。
    (3) これらの状況をふまえ平成25年度は、全国老施協介護力向上講習会神戸分校として開校します。
    (4) 具体的な講習会の開催回数、講師、参加体制等は、昨年までと原則同様となります。詳細については、別途要項等にて周知を図ります。多数の参加を期待しています。
  • 介護専門フォローアップ研修会を開催します。
    (1) 25年度についても、昨年度の評価を受け実施します。
    (2) 研修会に向け、成果が発表できるよう目的の明確化、取組み内容の決定、取組み経過の記録、取組み結果の分析等対応に心がけてください。
  • 急変時対応研修を開催します。
    急変時対応研修は、神戸市医師会看護専門学校の協力を得て、8月21日(火)に実施します。
  • 施設長研修を実施します。
    (1) 新任施設長研修を実施します。
    7月の開催とし、内容を取り巻く環境、施設長の役割と任務、老施連の活動等をテーマに実施します。
    (2) 施設長の専門性と実行力アップのための研修を計画します。
    ・研修内容は、戦略的な施設(法人)経営の構築を図るための内容とし、自施設(法人)の職場の実態などを直視しながら、重点的経営課題の整理と事業計画の作成及び進捗管理を学ぶこととします。
    ・研修期間は、一年間継続とし5回の研修会を予定します。
    ・参加は、施設長(法人関係者)をはじめ複数参加を前提とします。
    ・参加費については、別途明らかにします。
    ・研修会の運営は、経営開発センターに委託します。
  • その他の課題への取組みや研修については、今後委員会の中で検討します。
  • 神戸市高齢者施設介護士認定試験制度の充実を図ります。
    (1) 現在、25年度の認定試験をめざし募集を行っています。老施連をはじめサービス協会の老人保健施設協会、私立民間病院協会、シルバーサービス事業者連絡会(有料老人ホーム関係)にも働き掛けています。積極的な応募を期待しています。
    (2) 今年度から、テキストを介護職員実務者研修のテキストに変更します。
    (3) 神戸市が、神戸市介護サービス協会に検討依頼を行うことについては、今後の推移を見極め対応します。

【災害対策委員会】

災害対策委員会では、災害時における施設が対応すべき課題や福祉避難所の運営等をテーマとして、以下の取組みを行います。

  • 南海トラフによる地震対策に取組みます。
    (1) 津波による影響を受けると想定される施設との間で対策会議を開催します。
    (2) 医師会東南海・南海地震における津波への対策会議に引続き参加を行うと共に、地域との連携について模索します。
  • 機能する福祉避難所づくりをめざします。
    (1) 神戸市との運営の具体化が図れるよう努力します。
    (2) 各区防災担当部署と各区責任者及び各区施設長との話合いができるよう働きかけます。
    当面、各ブロック別施設長会議での情報交換等を意識して対応することとします。
  • 防災意識の啓蒙と防災対策について取組みます。
    (1) 「災害対応の手引き」を有効活用できるよう内容の充実、補正を行うと共に、各施設での保管管理と活用を要請します。
    (2) 防災対応研修会を開催します。
    イ 従来2月に研修会をしてきましたが、啓発意識を高めて1・17などの取組みができるよう11月の開催とします。
    ロ 研修内容は、今回お願いした烏野 猛先生を講師に、図上訓練等を計画することにします。
    (3) 1・17の備蓄食の試食及び防災チェックリストによる防災統一点検を実施します。
四、各種施設長会議は、以下の通りとします。
【施設長会議】

  • 全施設の施設長を対象とした施設長会議は、年間最低3回は開催します。
  • 施設長会議は、事業計画の取組み課題への対応や進捗の報告、全体の会議で対応した方が良いと判断される課題等について取組みの提案・要請・報告等を行います。
  • 必要に応じて、講演なども組み合わせ実施します。

【養護施設長会議】

養護老人ホームは、措置施設として高齢者のセーフティネットとしての役割と責任を果たすため、次の課題に取り組みます。

  • 特定施設としての課題、問題点を明らかにし、その改善策について検討を行います。
    養護老人ホームにおける特定施設が、平成18年に導入され8年目を迎えることから、今後の養護老人ホームが安定的な経営ができるよう検討します。
  • 高齢者福祉のために、行政と施設との意思疎通を深め、協力関係を強めます。
    前年度に引き続き、行政との意見交換会の開催を求め、相互の責任と役割分担ができる関係が築けるようにして行きます。
  • 利用者の方の処遇充実のため、職員の生活支援力・介護力向上や意識改革への取組みを進めます。
  • 各施設が持つ問題・課題について、共有を図ると共に問題解決のため、意見交換や勉強会に取組みます。

【軽費・ケアハウス施設長会議】

  • ケアハウス施設長会議は、定例の施設長会議と3つの小担当の2本立てで活動します。
  • 定例施設長会議は、3か月毎に年4回開催予定とし、各施設からの議題提起と各小担当からの進捗状況の報告・提案等を行います。
  • 3つの小担当
    ◎モデル契約作成担当
    ・前年度より継続の「モデル重要事項説明書」の作成を進めます。
    ◎勉強会担当
    ・接遇勉強会(指導者研修)
    介護現場の接遇・マナーの向上を図るためには、指導者を育成し、継続した取組みをしなければ根付くことは困難であります。従って、各施設複数参加で、年6回程度の研修会を行います。
    ・その他、各施設からの意見提起を受けながら新たな研修テーマを模索します。
    ◎ネットワーク・調査担当
    ・「ケアハウス施設間交換研修制度」の利用推進を図ります。
    ・ケアハウスの看取り介護の実態を調査と問題点の洗い出しを行います。

【ユニット型施設長会議】

  • ユニットケア施設長会議を開催します。
    ユニット型特養における問題・課題の解決、施設間の情報交換を行うため、施設長会議を2カ月に1回開催します。
  • 現状の問題・課題の整理を図ります。
    24年度の調査結果からは、いろんな問題があることや多くの課題があることが判明しました。従って、これらの問題や課題の整理を図り、一定の考え方がまとめられるよう努力します。
  • 今年度も、ユニットケア研修会が開催できるよう検討を行います。

【デイサービス施設長会議】

  • デイサービス施設長会議は、開催を計画します。
    調査研究委員会の調査でも、利用者の減、収支のマイナス、個別ケアの不十分さ等問題点や課題が明らかになっています。これらの問題点、課題について話し合うことにします。

【ブロック別施設長会議】

  • ブロック別施設長会議は、引続き偶数月開催(須磨・垂水ブロックは各月)とします。
  • ブロック別施設長会議は、参加して意義があるような会議とするため、理事会からの報告・要請、施設間の意見交換に止まらず、各ブロック内で工夫して頂くようお願いします。
    具体的には、行政等からの説明や他団体との連携、研修、協力し合っての取組み等を検討して下さい。当面、虐待ケースの受入、福祉避難所対応等について検討願います。

以上。